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被災地の大学の図書館にできること

2012.06.20

「被災地の大学の図書館にできることは?」
って聞かれたら・・・。
皆様ならなんて答えますか?
もちろん色々な答えがあると思いますが・・・。

多くの方に共通した答えがあるとすれば。
「震災についての資料をそろえること」
なのかなぁ・・・と思います。

本日ご紹介するのは。
その役割を担っている
岩手大学情報メディアセンター図書館
にございます
「災害資料コーナー」のこと。
ファイル 1197-1.jpg

このコーナー。
その名のとおり地震や津波に代表される
「災害」に関わる資料が集められているんですが・・・。
ファイル 1197-3.jpg
よく本屋さんで見かけるような、
「震災関連書籍コーナー」とはちょっと違います。

まず。
震災以降出版された数多くの震災関連書籍に加えて。
これまでに揃え、保存してきた膨大な蔵書の中から
「自然災害」に関係する様々な資料が並べられており。
ファイル 1197-2.jpg

そして。
研究機関でもある大学の図書館という性格を活かして。
本屋さんで見るような書籍ばかりではなく、
自治体などが出版した調査報告書や、研究報告書も揃います。

図書館職員が厳選して揃えた資料の数、
本日時点で562冊。
そのうち300冊ほどが震災後に出版されたもの。
200冊以上は震災前に出版されたものなのだそう。

しかも。
震災に関するシンポジウムのチラシや、パンフレット、
それに本学教職員や学生の皆さんが、
被災地へ赴いた際に得ることができた資料などなど・・・
そうした資料も閲覧できるよう整理を進めているのだそう・・・。
全て貴重な資料なんですね・・・。
ファイル 1197-4.jpg

そうしてみると・・・。
「被災地の大学の図書館にできること」って、
「震災についての資料をそろえること」じゃ言葉足らずですね・・・。
「震災についての資料をそろえて、遺すこと」になるのかなぁ、
と思ったりしています。

語弊があるかもですが・・・。
それが昨年の震災の経験や教訓を、
将来の教育や研究に活かすために必要なことなのかなぁ、
とも思います・・・。


さて。
本日は岩手大学情報メディアセンター図書館
全面協力のもと取材させていただきましたので、
「何かお伝えしたいことがあれば」とお聞きしましたら。
「震災や、震災復興に関する資料があれば、
是非ご提供ください!
ご連絡お待ちしています・・・!」
とのこと。
岩手大学情報メディアセンター図書館
が責任もって大切に保存させていただきます。

みなさまのお手元にあるものが、
昨年の震災のことを5年、10年・・・100年後に伝える、
大切な資料になるかもしれませんよ。