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たのしくたのしくおいしくね

2019.07.29

7月もいよいよ今週でおしまい。

というわけで、前期もそろそろ終わり、夏休みに突入する頃。

今年も何度か経過や様子をこちらで紹介していた
農学部1年生の総合フィールド科学実習ですが、
先日ついに最終回を迎えまして
ジャガイモ掘りと枝豆の収穫をしました。

この前のわたしの記事で
「今年は虫の増え方が尋常じゃない気がする」
という旨をお話ししたところでしたが。

ファイル 3033-1.jpg

あの、オオニジュウヤホシテントウって「ナス科」の植物、
つまりナスやトマト、そしてジャガイモを好んで食するはず。
なのですが…

この界隈のジャガイモの葉を食べつくし、
なおかつものすごい勢いで繁殖してしまい、
食べるものがなくなってしまった彼らは、
普段は見向きもしない枝豆(ダイズ)の葉っぱへと
ターゲットを変更したようで…。

まだ食べられ始めたばかりなので収穫や収量に影響はなかったのは幸い。

ただ、例年「たまにコガネムシがいる」程度しか虫がいないはずの枝豆の葉には
おびただしい数のオオニジュウヤホシテントウがおりまして。

ファイル 3033-2.jpg

枝豆って収穫するのに樹からぷちぷちともぎ取らなければならないので
皆さん、このテントウムシたちと対峙しながら作業することに…。

一匹二匹ならなんてことはない小さな虫なのですが、
幼虫、さなぎ、成虫といろいろな形態がごちゃっと密集してると
さすがに見慣れたわたしでも動揺せざるを得ません…。

※すみません、あまりに過激なので引き続き写真の掲載は控えます。

あちこちから聞こえてくる

「うわぁあぁぁぁ」
「無理!!!!」
「気持ち悪い!!!!」

の悲痛な叫びたち。

それでも、さすが農学部を志して入学してきた皆さんだけあって、
「気持ち悪い」と口に出しながらも
表情は至って冷静で、
それぞれの作業をきっちりこなしていました。

たくましい…。

皆さん、きっとこの先の大学生活3年半、
何があってもきっとたくましく乗り越えられます。
わたしはそう確信しました。

ファイル 3033-3.jpg

途中、掘り起こされた畑から出てきたネズミを追いかける一幕も。

その年によって、漬物石みたいな大きなヒキガエルやら
防鳥ネットに不運にも引っかかってしまった小鳥やら、
毎年何かしらの動物と遭遇するこの実習。

上田キャンパスの敷地内、周りは住宅地か幹線道路か、
ほんのちょっと歩けばすぐに市内の中心地。

そんな場所でも、いろいろな生き物との出会いがあるって素敵ですね。

(なんたってカモシカすら出るくらいだし…)

苦手な方にとっては恐怖でいっぱいかもしれませんが…。

ファイル 3033-4.jpg

そんな「虫や生き物が豊作」な枝豆畑ですが、
嬉しいことに、今年は枝豆もかなりの豊作でした。

例年、発芽が悪かったりして収量がなかなか安定しないのですが
今年は一安心です。

ファイル 3033-5.jpg

ジャガイモも先週試し掘りをしたので
安心してざっくざくゴッロゴロと収穫できました。

自炊する学生さんも、ご家族と暮らす学生さんも、
はたまた自炊しない学生さんも、
何らかの形で、大学生活最初の実習を無事に終えられた収穫物を
是非口にしていただければ嬉しい限りです。

最近は、ネットで検索をかければ
枝豆やジャガイモの下ごしらえや茹で方なども
比較的簡単に知ることができる時代です。

そのためなのかはわかりませんが、
「自炊はしないけどガスコンロはあるから、とりあえず持ってってみる」
「○○(調理道具)って100円ショップで買えるっけ?」
というように、ポジティブ思考で
残さないよう積極的に収穫物を持ち帰る学生さんばかりで、
毎年心温まる思いで皆さんを見送らせていただいております。

「昔は誰でもできた」
「知ってて当たり前のことだった」

そんな時代もあったと思います。
でも、今はそうとは限らない時代です。

そんな時代の中で、ローテクな技術や道具を使い、
その良さ、もっと便利な道具・機械の良さも身をもって知り、
これからの社会やはたまた個々の暮らし、いろいろなことに
その経験や知識が活かされることもきっとあると思います。

その入り口のような、総合フィールド科学実習。
4か月間、本当にお疲れ様でした。

1年生の皆さんの今後のますますの活躍を楽しみにしております。