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産直の舞台裏

2019.09.04

夏の思い出、農場特別実習を先週に続き、
今日も少し振り返ってみたいと思います。

森の駅市場で販売される野菜や果物など、
いつも皆さんにお目見えする時には
選別調整と包装された状態のものになっていると思います。

その選別調整などの作業も、実習の一環として皆さんが行っているのは
毎年ご紹介しているとおりです。

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こちらはスイートコーン。
コンテナにずらっと詰められたトウモロコシたちを
ひとつひとつ包丁で余計な部分を切り落とし、
皮を数枚残して剥き取り、
虫食いや実入り不良がないかをチェック、
大きさが均等になるよう選んで袋詰め、
商品でいっぱいになったコンテナをすぐ予冷庫へ。

収穫してきたものをそのまま袋に詰めるわけではなく、
これだけの工程を経てやっと3本入り袋の商品になります。

皆さん、なかなかの手間と集中力を使ってます。
あと目もけっこう疲れます…。

トウモロコシはわりと頑丈なほうなので、
それでもまだ扱いやすいほうかもしれません。

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こちらは森の駅市場でダントツの一番人気を誇る、桃。

収穫してきた桃、丁寧に袋をとりはずし、
選別してパックに詰め、ラップをかけます。

皆さんご存知の通り、桃たちはとってもデリケート。
ちょっとでも手荒に扱うとすぐに傷んでしまいます。

もちろん、なかなか神経を使うお仕事です。

ファイル 3059-3.jpg

こちらはジャガイモ。

桃と違い、固くて丈夫で扱いやすい、そんなジャガイモですが、
こちらは土の中にいる時に虫にかじられることが多く、
よくよーく見ると、虫食い穴があるイモの多いこと…。

なので案外選別は大変。
もともとのごつごつした形なのか虫食いなのか、
はたまた芽の出てくるくぼみなのか、
ひとつひとつまんべんなく、しっかり見る必要があります。

ファイル 3059-4.jpg

そして、商品にできるイモが足りないとなると、
急きょ追加分を掘りに畑へ。

この日の最高気温も34℃。
午前中で、しかもちょうど日差しが強すぎないタイミングだったのが救いです…。

ファイル 3059-5.jpg

これも忘れちゃいけない大事な作業。
10kmほど離れた盛岡のキャンパスまで商品を運ぶためには
トラックにしっかりと積み込むことが必要です。

フォークリフトで持ち上げたコンテナたちを、
荷台に上がって運び、荷崩れしないようしっかりと積みます。
一見ただの雑用のようにも見えますが、
この荷造りもまた、
農業を営む方々が日々こなしているお仕事のひとつ。

商品となった農産物の多くは、
本来もっともっと長い道のりを旅することになり、
その長旅をしっかり乗り越えられる状態を整え市場へ送り出すのもまた
とても大切なことです。

…と、
こんなあれこれを皆さんで手分けして丁寧にすすめた仕事たちが、
先日の森の駅市場で皆様のもとへと旅立っていったというわけです。

暑い暑い8月前半の中、
ワクワクする学内の産直でおなじみ、森の駅市場の舞台裏には
地道だけど丁寧な皆さんの手作業がありました。

(もちろんここの作業に至るまでに
栽培管理や収穫作業などなど、他にもたくさんの方の手が加わっています)

そこには「実習だから」「単位のため」という雰囲気はなく、
一人一人が買い求めてくださる方々のことを思い、
目の前の農産物に一生懸命向き合う姿がありました。

購入くださった方にも、それが伝わっていたら嬉しいな、と
もう1か月近くも前のことながら
願わずにはいられないわたしです。