今年の初め、最長で100年前の温度計についてご紹介しましたが…。
先日とある技術職員さんから
「あの温度計並みに歴史あるお品が他にもありますよ」と
情報と画像をいただきました。
なんでも、教育学部の木工室で作業台として長らく使われていたものだそうで。
どれどれ…
……
…
お、大きいぞ…ごくり…
後ろのトラックとの比較でわかるとおり、とても大きな机です。
この大きな机ですが、
合板や集成材(薄い・小さい木材をつなぎ合わせて作った板)ではなく、
一枚板で作られたものだそう…。
相当大きな木からじゃないと材料とれませんよね…
レトロ具合以前に、まずそこからして重厚感たっぷりのお品です。
「教官用」のラベルの筆文字、くすみ具合や
取っ手の金具の形やパーツの欠けをはじめとして、
長い時の流れを感じさせられる、どっしりしたオーラが出てます。
で、注目したいのが、その出処。
じ…女子師範学校ですって!?
とりあえず解説するまでもなく、
「師範学校」という響きの時点で相当歴史のあるお品ということだけは
確実にわかりますよね…。
というわけで、この盛岡の地の師範学校についてちょっと調べてみました。
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岩手県師範学校に女子部が開設されたのが、1899(明治32)年 4月。
ここから移転や改正、焼失(!)という目まぐるしい移り変わりの後、
1923(大正12)年 4月、分離独立する形で「岩手県女子師範学校」が開校します。
その後1943(昭和18)年に「岩手県女子師範学校」は
「官立岩手師範学校」へと統合され、
現在の教育学部(学芸学部)へと変わっていくそうです。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
…さて、以上から察するに、
「女子師範学校」の名を掲げる学校が存在していた期間は
1923(大正12)年~1943(昭和18)年の20年間ということになります。
つまり、この机はこの20年間の間に
この盛岡の地にやってきたことになりそうですね。
そして役目を終えて引き取られていったのがつい先日のこと。
今は2016年なので…
最長で93年、最短でも73年間は現役で働いてくれてたことになります。
いったい何人の学生さんや先生方を見守ってきたんだろう。
人間でいえば「生き字引」なんて呼ばれてありがたがられるレベルですよ。
そして彼女(もとは女子校の備品なので勝手に女性という設定にしました)は
農学部附属滝沢演習林へと引き取られていきました。
作業台としてこれからも使っていただけるようなので、
いうなれば「引退」ではなくて「異動」というところでしょうか?
(情報をくれた職員さんは「嫁に出すような気分」と言ってました)
それにしても、こういう「レトロな」お品、
この半年弱で2つも見つかるくらいだから
きっと学内にまだまだいろいろ眠ってるんじゃないかな…
なんて思ったりする今日この頃です。
(工学部前の桜の木のように「生きて」歴史を重ねてきた方々もいますしね)
(今年からはもうお目にかかれないのがちょっぴり寂しいです)
さて、今日は画像をあと1枚アップできそうなので…
滝沢農場の桜はあとちょっと、かな。
りんごの芽もだいぶほころんできていました。
乞うご期待。