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成長した君とまたここで会おう

2018.05.29

5月も終盤にさしかかり、いよいよ暑くなってきましたね…。

北東北は春が短いのでそう感じるのかもしれませんが、
梅雨入り前のちょっと暑くなり始めたくらいの時期は、
気温的にも湿度的にも過ごしやすいです。

(わたしもカモガヤ花粉症なもので体調は最悪ですが…)
(薬局の花粉症対策コーナー、スギの時期が終わっても撤去しないでいただけたら嬉しいです)

…とそんな5月後半に行われた田植え実習の写真引き続きになります。

先日はひとまず自分の手で植えてみよう、な写真でした。
実際、実習のメインはそこになるのですが…

でもこの農場。
手植えだけで半日で終わるわけはない広さでして…
広いからには、田植え機械が大活躍してくれるわけですが

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圧倒的速さと同時に、
自分の手足のようにサクサクと動かすベテランの職員の方への
驚きと感銘の声があちこちから漏れます。

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そして何度もご紹介してきた「こびる」タイム。
メニューは変わらずおにぎりと味噌汁なのですが。

今回は先生から田植えにまつわる食文化について、
さらに一歩進んだお話がありました。

ファイル 2747-4.jpg

耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか?
「さなぶり」

地域によっては違う呼び方になるみたいです。

それにしても漢字ではこんな風に書くんですね…知らなかった…。

この「さなぶり」は「こびる」のように日常的なものではなく、
無事に田植えが完了したことをお祝いしたり、
神様(田んぼにも神様がいるそうです)をお祀りしたり
作業に従事した方々をねぎらったりするお祝いの食事会だそう。

もっと気楽な言い方にすると

「田植えお疲れ様の宴会」
「田植えの打ち上げ」

といったところでしょうか?

機械がなかった昔は、家族総出、なんならご近所同士も手を借り手を貸し、
とにかく朝から夕まで手でひたすら植えまくりを数日~1ヶ月程度。
一年の中でも重要かつしんどい期間だったそうです。

ついさっき手植えを体験した皆さんは身にしみていることでしょう。

(ちなみに昔のこの田植え実習、一週間農場の宿舎に泊まり込みで
みんなで手植えでみっちりと行ったそうです…。)

(今は半日で終わる実習ですが、
移動や準備等はあわただしくなるので決して楽ではないと思います)

…それくらい大変で大事な作業が完了したことを、
田んぼや田の神様に感謝しつつ、
皆で協力しあって終えられたことを労い合う、ということのようです。

田植えでなくとも、大きな行事や仕事が一段落ついたら
「パーッと飲みに行こう!」「打ち上げしよう!」なんて
皆さんもよく話したり実行したりしてるのではないでしょうか。

ましてや外で腰をかがめて朝から夕まで、を何日も。
しかも一年の大事な収穫に影響することなわけだから、
「それは盛大に飲んで食べなきゃ!」と納得するのでした。

(ちなみにここ滝沢農場では、
常勤の教職員と卒業研究で配属されている学生さんたち、
実習アシスタントなどで農場のお仕事に関わる学生さんや教職員、
卒業生の方々なんかも交えて、
この「さなぶり」を毎年やっているそうですよ)

(ただし、豆や野菜など畑のものの植え付けもたくさんあるので
「さなぶり」よりは「種まき祝い」と呼んでいるようです)

そんな文化のお話が聞けたところで、ほどよくお腹も満たされ、
田植え実習は無事終了。

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皆さんの植えた苗、今年もすくすく育ちますように。