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気安く触るとヤケドするぜ

2019.12.09

この前は「実験廃液を安全に搬入する」ための講習会のお話をさせていただいたところですが、
こういう安全講習は、いろいろな分野の実験や機器、材料にわたって
行われております。

先日は、理工学部にある銀河ホールで「寒剤の取り扱い」についての
講習会と、その講習を修了した方のID登録とが行われていました。

この講習は前期と後期の2シーズン、それぞれ2回ずつ毎年開講されます。

その「後期」の「2回目」という、
今年度では一番最後となる講習会だったのですが

ファイル 3122-1.jpg

銀河ホール、満員御礼です…!

こんなにも寒剤を扱う方が学内にいらっしゃるんですね。
(この前に既に3回開催されているので、利用者数はもっと多い)

ちなみに「寒剤」は液体窒素など、とても低い温度の材料で
学部学科や研究内容により、その用途はさまざまです。

生物系であれば、細胞や各種材料の凍結保存のためだったり、
さまざまな機器や装置の冷却用の材料であったり、
同じものだけどいろいろな分野で必要とされています。

ただ、液体窒素はその温度の低さや特性から、
取り扱いにはさまざまな危険が伴います。

ファイル 3122-2.jpg

わたしが初めて聞いたときに意外で驚いたのが、
気化した窒素が充満して空気が薄くなることによる、酸欠の危険でした。

どちらかというと直接触れることによる凍傷・やけどのイメージが強く
「直接触れなければ大丈夫」なんて思っていたこともありました。

が…

この酸欠、「やばいな」と思ったときにはもう既に
自力で動けなかったり判断力が低下していたり、
その場から逃げることすらままならない状況になっていることもあり
本当に命が危険に曝されるレベルのリスクなんだそうです…。

実際に、研究機関や大学等でも過去に事故があったそうで、
まさに背筋が「寒」くなるような怖いお話を紹介しながら
そのリスクと取り扱いについての説明が1時間ほどされました。

なんとなく「液体窒素は危険」と頭にぼんやり浮かんでいても
実際に聞いてみると思いもよらなかったリスクがあり、
知らずに取り扱っていたら…と思うとそれこそ背筋が寒くなります。

だから「わざわざ1時間もお話を聞くほどのことか?」と
お思いになる方もいらっしゃるかもしれないのですが、
こういう講習を受講するというのは本当に大切なことだと思います。

そういう大切さをかみしめるかのように、
時にメモをとったりしながら、皆さん真剣に耳を傾けていました。

ファイル 3122-3.jpg

この講習を受講した方だけが、IDがシステムに登録され、
寒剤のくみ出し装置で学生証や職員証をスキャンすることで
液体窒素の供給を受けることができるようになります。

(登録していない学生証をスキャンしても供給されません)

時期柄もあり、これから研究等本格的に取り組み始める3年生が多いので、
この寒剤や先日の実験廃液意外にも常に安全に気をつけていただいて、
健康で楽しく実りある研究室ライフになればいいな、と思うのでした。