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いつもと違うしいつもと同じ

2020.03.09

なぞなぞみたいなタイトルから始まりました、3月2週目です。

3月もあっという間に3分の1が過ぎようとしていますが、
今日はびっくりするくらい暖かくて過ごしやすい一日です。

既に各方面やこのエキスでもお伝えしているとおり、
春、3月の節目の時期のイベントの大多数が
中止だったり、良くても時期未定の延期となっております。

課外活動などで大学を訪れる学生さんも少なく、
さらにコロナウイルス(そろそろCOVID-19と呼んだほうが良いでしょうか)関連のさまざまな不安との相乗効果で
なんとも静かな寂しい時間が日々流れている学内です。

…が。

先週の金曜日は、そんな学内に
ひとときのにぎやかな時間が流れました。

年に一度(厳密には何度かありますが、一番大きいのはこれ)の
「一瞬で終わるけれどとても大きな行事」の日でした。

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14時50分過ぎ。

どうも集まっている方々の距離感が例年と違う気がします。

やはり例年より人が少ないのももちろんありますが、
皆さん、掲示板の前にみっちり集まって待つ、という感じではなく
とりあえず時間までは近くで待っていればいいや、という
ゆとりのある距離感を保っているように見えます。

マスク装着で臨む方も多数見受けられますし、
そうでない方は遠めの位置から見守る方も。

やはり一人一人が感染予防にかなり気をつけていることが
すべての方から感じられました。

ファイル 3179-2.jpg

事務局棟の職員の皆さんも少し遠くからソワソワと見守る中、

ファイル 3179-3.jpg

15時ちょうどになると、
書面が貼られた板がいっせいに掲げられました。

程なくしてあちこちから続々と上がる
「あったー!」の声や歓声。

そう、3月6日(金)は15時に一般入試前期の合格発表でした。

この日の夕方の県内ニュースでも放送されたので
岩手県内に在住の方で「見たよ!」という方も
いらっしゃるかと思います。

例年なら

こんな感じだったり

こんな感じ

現役在学生の皆さんが有志で集まって
胴上げ隊やブラバンなどさまざまな形で
合格された方と一緒に喜びを分かち合ってくれていたのですが
今年は感染症予防のため、
在学生の皆さんのお祝いはすべてお休みです。

なのでいつもよりもだいぶ人口密度も低く、
静かに粛々と時間が流れていくのかな、なんて思ったのですが

ファイル 3179-4.jpg

それでも今までがんばってきた成果への喜びの声は
例年と何ら変わりありませんでしたし、
盛りあげ隊がいなくとも、皆さんの歓声や
一緒に来てくださったご家族お友達の喜びの声もあって
静まり返った学内がとても明るくなったことも
今までと何一つ変わらないことでした。

お友達同士で嬉しさを分かち合う方もいれば、
(おそらく家族の方に?)報告の電話をかける方も。

「え、やば、英語勉強しなきゃじゃん!」

というポジティブな憂いの声も聞こえてきたり。

(※本学は入学時に英語のクラス分けテストがあります)

時は2020年ともなれば、
もはやホームページから結果を見られるのは当たり前の時代。

なので、遠方の方は別として、地元や近場の受験者の方々も
そろそろ本当に皆さん掲示板に足を運ばなくなってくるのかな、
なんて思うこともあるのですが。

ファイル 3179-5.jpg

近年は受験生の方もご家族の方も、
スマートフォンで掲示された自分の受験番号を
(またはその受験番号と一緒にご自身も)
記念に写真におさめる方がわりと多く見られます。

なるほど、情報端末の便利さって、
「出向かずともすぐ知りたい情報を得るため」だけではなくて、

「自分の目と身体で感じた目線の空気感や臨場感を、
手軽に誰かに伝えたり思い出として残しておくため」
のツールとしてわたしたちの生活の一部になっているんですね。

デジタルが進化しているからこそ、
アナログの良さをもっと簡単に記録やシェアできるようになって、
どちらかだけが淘汰されるわけではないんだなということが
この合格発表の光景で近年感じていることだったりします。

「HPですぐ見られるけれど、でもその場で自分の目で確かめたい」

その気持ちはきっといつの時代もあり続けるものなのですね。

さまざまな重要なイベントが中止になりつつも、
屋外でごく短時間のものであることなどから
この合格発表だけは変わらず残っていてくれて
本当によかったです。

この喜びと笑顔があふれる皆さんの姿を拝見してあらためて
そう思うと同時に、
やっと春をむかえる実感がわいてきました。

この度合格された皆様、本当におめでとうございます。
そして、4月からこのキャンパスでお会いできることを
心より楽しみにしております。

また、後期日程やさまざまな試験がこれからひかえている皆様、
ご健闘と喜びあふれる瞬間が訪れることを、
引き続きお祈り申し上げます。