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らじおあいそとーぷ

2014.03.19

昨日開催されました「RI講習会」

RIって?
放射性同位体(Radio Isotope)の略で、ざっくり言うと「放射線を出すブツ」のこと。
岩手大学内にもRI総合実験室があり、そこでの実験を行う際であったり、また他の研究所(高エネルギー加速器研究機構や理化学研究所など)では立ち入りを申請する時点で、この講習会を受講している必要があります。

そんな訳で、毎年この時期に開催される講習会。
私も受講が必要な職員ということで、参加してきました。

この講習、なにせ扱うものが扱うものだけに、かなりキッチリした内容になっています。
まず開催にあたって挨拶に立たれたのが、理事(研究・環境担当)・副学長の小川先生。
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お忙しい理事が直々に挨拶に来られる辺りにも、この講習会の重要さを感じます。

その後直ちに講習が始まります。
まずは
 放射線障害防止に関する法令
 放射性同位元素等の安全取扱(1)~法令編~
と題しまして90分。
(社)日本アイソトープ協会の吉田亨氏を講師に招き、RIがなんの法令で、どのように規制されているか、放射線の種類(定義)は?、届け出は?事故例は?測定するには?等々について、合わせて八十数枚にも及ぶスライドを使いご説明いただきました。
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その後は
 放射線予防規定
として30分、岩手大学の規定について、RI総合実験室の杉島さんより、
 放射線の人体に与える影響
としてこちらも30分、保健管理センターの立身先生より講習がありました。

ここまでが午前の部。
以前この講習を受けたことが有る方(継続登録者)は、ここまでが毎年受けなければならない内容となっております。

今年初めての方(新規登録者)は、午後もみっちり。
手始めに、昼休み時間を兼ねて健康診断。
血、抜かれたらしいよ。

それからまた講習講習、また講習。
 放射性同位元素等の安全取扱(2)~放射線の基礎(前編)および計測器~
 放射性同位元素等の安全取扱(3)~放射線の基礎(後編)~
 放射性同位元素等の安全取扱(4)~RI総合実験室の利用について~
13時から16時40分までのお勉強タイムです。
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途中司会を務める研究協力課の方より注意がありましたが、
遅刻は厳禁。退室も基本的には×。
そのような場合には、今回の受講完了を認められない。
別の機会に受けてもらうことになる。
とのこと。
当たり前っちゃあ当たり前の話。
聞き漏らしていい内容など無いのがこの講習です。

長時間に渡るお勉強タイム、薄暗い部屋、難しい話、、、ですが、睡眠学習も認められません。
それだけ扱いに注意が必要なRI。
正しく、有効に活用していきたいものです。

静岡大学からお客さま

2014.03.13

雪が降る中で行われた昨日の後期入試。
無事に終了後、さらに強く降り始めた雪は、一晩のうちに

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あちらこちらを白く覆ってしまいました。
とはいえ、この時期の雪は水分を多く含む、いわゆる「ベタ雪」。
かき氷よりも更に溶けやすい雪は、踏むとすぐに水に戻るほどの柔らかさ。
おかげで、道路にはあちこちに大きめの水たまりと溶け雪の固まりが出現してしまっています。

そんな本日。

春の雪に歓迎されながら岩手大学を訪れてくださったのは、静岡大学技術部の美女お二人。
本学技術部工学系技術部の運営体制視察と、それから、何と!「岩大エキス」の運営についてもお知りになりたいとの希望で、遠路はるばる岩手大学に足を運んでくださいました。

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お二人の勤務先である「静岡大学浜松キャンパス」は非常に温暖な土地だそうで、雪はほとんど降らないとのこと。
なので、ベタベタではあるものの、今日のこの雪にはしゃぎ気味(^^)。雪初心者が行う恒例儀式「積もった雪への指突っ込み」も早々に終わらせたそうです!。

お二人とは

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こんなフランクな空気の中、約2時間かけて様々な懇談を深めました。
もちろん、この2時間内では「岩大エキス」の運営だけではなく静岡大学さんの活動や先日の研究会の事などなど、とにかく話題が尽きることはありませんでした(^^)。もう少し時間があれば!。また機会を見つけてぜひいらしてくださいね(^^)。

「ところで、お二人とも、冷麺を召し上がったことはありますか?」
と唐突に伺ったところ
「ありません」とのお答え。
せっかく盛岡までいらっしゃったのに冷麺を食べずに帰せるかっ!と向かった先は、市内にある有名店。

桃 :「辛いのは平気ですか?」
静1:「私はあまり得意では…」
静2:「私は比較的大丈夫です」

との状況を元に辛味別で頼んだ冷麺が

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こちら(^^)。
お二人とも「キラキラしてキレイ!そして、スープが美味しいし、麺のコシがすごいー」と喜んでくださいました!。

お帰りの時間が迫っていたので少し慌ただしく召し上がられたと思いますが、盛岡の名物を味わっていただけて良かったです♪。

全国の大学には同じような専門を持った技術職員もおりますし、また同じような志を持った技術職員もおります。こうやって、何かの縁で生まれた繋がりは、大切にしていきたいなぁと感じた一日でした(^^)。

細かすぎる作業に驚き!

2013.09.25

最近、電子部品を使ってアクセサリーを作り身に付けるのが流行っているらしいですね。確かに完成品のアクセサリーを見てみると、非常に細かな作業を施して可愛く作っているようなのですが、

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本物の電子回路には、もっと細かな作業がなされていました!。
囲った部分のパーツから出ている細い糸みたいな部分、分かりますか?。この部分、基盤に半田付けされているんですよ。

「ん?、半田付けの作業位普通だし!」

そう感じた方もいらっしゃるでしょうが、このパーツのサイズ、

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シャーペンの先と比べると、シャーペンがぼやけるぐらい小さいんです。要するに、超細い!。

しかも…

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技術職員さんが手作業でつけたという…ひょえぇぇぇー。
こういう作業専用の細い半田ごてがあるんだよ、ということも教えてもらいました。皆さん、ご存知でしたか?。

ちなみに。
電池の前に見える黒い基盤からニョキッと生えている棒。
この先には…

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マッチ棒みたいなかわいいパーツが付いていました。
なんでも、無線用のモジュールとのこと。
奥のケースの中にも同じものがあり、その間で信号をやり取りしているんですって(^^)。

製品化されると目にすることのない電子回路の基板やパーツ。
その中には、カラフルなかわいさも細やかな技術も盛り込まれているんだなぁと、改めて実感しました。

さて、この回路、どんな装置になるんでしょうね?(^^)。

開発チームの皆さん、取材協力、ありがとうございました!。

ILC

2013.08.23

ご存じの方も多いと思いますが。。
ILCの国内候補地が北上山地に決定しましたよ!!


もうね・・・何を隠そう・・・。
わたくし、北上山地の山間の生まれですからね・・・。

帰省の際の祖母との話題と言えば、
何を置いても「ILC」、
という程に心待ちにしていたわけで。

故郷(よりも少し南だけど)が注目されるのは
嬉しいものですね!


そして。
北上山地を有する岩手の学術機関
岩手大学にとっても、
今回の決定はとても嬉しいニュースなわけで。


早速、本日、
藤井学長と岩渕理事による会見が開かれました。
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報道機関の皆様にも、
多くご出席いただきましたよ・・・!
ありがとうございます!!
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多くの方に関心を持っていただいているんですね!
あ・・・今頃夕方のニュースになってるのかな??


何はともあれ。
ILCが北上山地に誘致できることを心待ちにしながら、
北上山地をふるさとの持つ人間の一人として、
ILCの説明を急に求めれてもうろたえないように、
勉強しよっと・・・・・・無論、祖母とともに・・・。

ESCAとTOF-SIMS

2013.06.21

大学には様々な実験装置があります。
今日はその中から二つ【ESCA】と【TOF-SIMS】をご紹介しようと思います。

その1:ESCAとは

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 エックス線光電子分光装置のことで、
Electron Spectroscopy for Chemical Analysis
の下線部をとってESCAと呼びます。
 超高真空中のサンプルにX線を照射し、放出される電子を検出する装置で、検出された電子のエネルギーを測定することで、元の元素はなんだったのか?を判定するという分析のために使われます。
 すごく大雑把に例えると、「桃Bloggerはいつも10円玉を5枚持っている」という情報があったとして、桃Bloggerが誰かにぶつかられた際、5枚の10円玉を落としたとします。そうすると、それを見た別の人が「5枚の10円玉を落としたから、ぶつかられた人は桃Bloggerで間違いない」と判断できる、と、そんな風な訳です。

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装置の中は、約9×10-9Pa(パスカル)という超高真空。こうやって見ると「宇宙船」のような装いですが、宇宙空間なのは装置の中の方になります。

その2:TOF-SIMSとは

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 飛行時間型二次イオン質量分析装置のことで、
Time of Flight secondary ion mass spectrometer
の下線部をとってTOF-SIMSと呼びます。
 高真空中のサンプルに高速のイオンビームを照射し、放出される「サンプル表面のイオン」を検出する装置です。装置内部で発生したサンプル表面のイオンは、検出器にめがけて飛んでいく様に設定されているので、その飛んでいる(検出器まで届く)時間を測定して、何の元素で構成されているのか?を判定するという分析のために使われます。
 すごく大雑把に例えると、「壁にくっついているピンポン玉」と「桃Blogger」を同時に同じ力で押し出したとすると、ピンポン玉はすごい勢いで飛んでいくのに対し、桃Bloggerはピンポン玉より遅く飛び出すため、1メートル先で判定する人は、先に到着したのがピンポン玉で後から到着したのが桃Bloggerだと判断できる、とそんな風な訳です。

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試料室の中をのぞいてみると、イオンビームが出てくるところとイオンが飛ぶところがよく分かりますね。

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別の窓から中をのぞいてみると、ちょっとした異次元の様子にわくわくしてしまいます(^^)。

このESCAとTOF-SIMSは、いずれも化学分析に使われる装置とのことでした。

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