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無視できない、虫

2019.07.24

こんにちは、山吹です。

前期の期末試験があるのだから、この時期は
テストに役立つような有意義な情報を提供できればよいのですが
わたしの情報力だとせいぜい
「単位パン」が何時時点で何個残ってるか、
購買でどのアイスが安くなっているか、ぐらいしかお出しできず…

そんなわけで、通常運転でまいります、今日の話題。

(虫が苦手な方は、画像をクリック(拡大)せずにお読みください)

(もっと苦手な方は…サムネイルを見ないようにするのは難しいので
今日はここでそっとブラウザを閉じていただいたほうが
無難かもしれません)

先日、滝沢農場にて、実習のためにやってくる2年生の皆さんを待っていると

ファイル 3030-1.jpg

思いがけない来訪者が。

ルリボシカミキリさんです。

ファイル 3030-2.jpg

とてもキレイな青色に、黒い斑点模様がなんとも鮮やかです。
一緒に見つけた農場の職員の方も
「図鑑でしか見たことがなかった」とのことで、
しばし見とれてしまったひとときでした。

このルリボシカミキリさん、朽ちた木などを好むようですので、
もしかしたら農場でなく演習林なら、
もっと当たり前のように身近にいたりするんでしょうか。

また、このキレイな青色は死んでしまうと消えてしまうそうで、
標本にできないのだとか。

どういう仕組みなんでしょう…?

ファイル 3030-3.jpg

一方、こちらは1年生の皆さんが上田キャンパスの西側の圃場で育てている
ジャガイモの葉っぱ。

もはや「葉っぱ」と呼んで良いのかすらわからない、
そんな状況です…。

オオニジュウヤホシテントウの食害を受けてしまった、
ジャガイモたち…。

もはや茎と葉脈しかなく、
骨だけになってしまった傘みたいです。

このテントウムシの食害については、
多かれ少なかれ毎年実習の期間中必ず起きるのですが、
今年は例年より数が多いし増え方も激しいような気がします。

とはいえ、このジャガイモはもう収穫間近。
地下では既にちゃんとイモができているのでご安心くださいね。

ファイル 3030-4.jpg

ちょっとフライングして、試し掘りをしてみたところ、
立派なイモがちゃんと埋まってました。

さて、この(オオ)ニジュウヤホシテントウ。
ナス科の植物の葉をものすごい勢いで食べる、草食の昆虫です。

草食だけど、その食への貪欲さはまるで「肉食系」。

もはや草食系か肉食系かよくわからなくなってきました…。

ファイル 3030-5.jpg

こちらはちょうどジャガイモの葉でお食事中のようす。

ナミテントウやナナホシテントウのように
「THE てんとうむし」って感じのイメージだったり
「かわいい」「メルヘン」なモチーフによく登場するテントウムシは
アブラムシなど小さい虫を食べる、肉食の昆虫です。

(ちなみに植物でも虫でもなく
「菌」を食べるタイプのテントウムシもいます)

どちらもテントウムシなのですが、
人間にとって都合が良いか悪いかで
「害虫」「益虫」と分けられて呼ばれたり扱われたりします。

"農作物の葉を食べてだめにしてしまうから「害虫」"

"「害虫」であるアブラムシを食べてくれるから「益虫」"

というのがわりとよく耳にする一般的な認識ですが…

「害虫」のテントウムシだって悪気があるわけではなく、
わたしたちが毎日水を飲んでごはんを食べ、
また、生活していくために仕事をしたり住まいを決めたりしてるのと
さほど変わらないくらい当たり前に生きているんですよね。

…なんてふと思う事もあります。

ただし、増えすぎたオオニジュウヤホシのおぞましさを目の当たりにすると
一気に彼らに同情できる余地はなくなるのですが…。

(その増えすぎた写真ですが、ここに掲載するには
あまりに過激すぎるので、公開しないことにします…。)


さて、7月も下旬となり、前期がそろそろ終わるということは
実習もいよいよ大詰め。

近日、この1年生の総合フィールド科学実習の最後の大仕事、
ジャガイモと枝豆の収穫の様子をお届けしますので、
どうぞお楽しみに。