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歴史と質量の重さ

2012.09.14

電気系の実験施設の片隅に鎮座しているこちらの装置。
ファイル 1261-1.jpg
右下に写っている缶の高さが35cmですから、相当な大きさであることが伺えます。

さてこちらが何かと申しますと、正面にはられたプレートにある通り、
ファイル 1261-2.jpg
「試驗用變壓器」でございます。
え~っと、しけん?よう・・・

はい、こちらは「しけんようへんあつき」と読みます。
現在の字に直すと「試験用変圧器」ですね。

この名前だけでなく、
号→號
数→數
鉄→鐵
なんかも旧字体で記されています。

それからプレート内の旧字体で気になったのがこちら。
總重量(総重量)
ファイル 1261-3.jpg
1033瓩
これは・・・読めない。
けど、重さの単位で、しかもこの大きさなどから察するに、キログラム?
と思って調べてみたところ、正解でした。
これ、1トン超えです。
ちなみに油量の「立」は「リットル」でした。

など、旧字体がいたるところに使われていますがそれもそのはず。
こちらの装置の製造年は
ファイル 1261-4.jpg
昭和18年3月。
西暦だと1943年。
てことは、岩手大学の設置(1949)より古いことになりますから、工学部の前身である盛岡高等工業学校、盛岡工業専門学校時代からの資産でしょう。

最先端の研究を進めつつも、一方ではこうしたものが残っているのも、大学の面白いところではないでしょうか。