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超伝導加速空洞

2014.12.01

12月に入りましたね。
今年もあっという間だったなぁー…と、多くの人が一年を振り返る日だと思います。今週には本格的に雪が降る予報も出ていますし、岩手県ではインフルエンザも流行し始めているようです。みなさま、どうぞお気を付け下さいませ。

さて、10日ほど前になりますか。
先月の21日に、本学で「加速器科学連続セミナー」が開催されました。

この「加速器科学連続セミナー」は11/21の開催で第5回を迎えました。ILC(国際リニアコライダー)や東北放射光施設構想の実現に向け、加速器科学研究の領域を少しでも多く学べるよう、一般の方も参加できる形式でスタートしたこのセミナー。5回目は、実際に

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電子や陽電子にエネルギーを与えて加速させるための「超伝導加速空洞」の展示がありました。
約40センチぐらいの直径なのですが、正直なところ「あれ?、意外と小さい?」という気が…とはいえ、ワタシ達が実際に目にしているのは他のパーツで周りを覆った【実験装置】としての姿ですからね、うっかり勘違いするのも無理はありません。

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セミナーは、八代副学長のご挨拶のあと

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KEK(高エネルギー加速器研究機構)の山中先生からのご講演でスタート。ニオブという金属を使う意味や加速空洞の作り方をわかりやすく解説いただきました。作り方、なんて簡単に表現しましたが、製造過程には電子ビーム溶接や電解研磨など、非常に高度な技術が用いられておりました。
電解研磨を用いた表面処理については、

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同じくKEKの沢辺先生からご講演がありました。
なんでも、ILCで求められる加速空洞には当然ながら条件があり、性能を向上させるためには空洞内部の表面処理が非常に大切になるとのこと。もちろん、そのためには溶接の段階から技術が必要になるわけですが、内分の表面処理では別の技術が求められるわけで、それについての解説をいただきました。

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興味深いご講演に加え、実際のパーツの一部に触れることもでき、大変貴重な経験に繋がったと感じています。一般の皆さんも多く参加されていることから、ILCや東北放射光施設への期待が高まっている事を実感したセミナーとなりました。

それにしても、ニオブって重いのね…。